ETCカードがあると、ドライブや旅行など高速道路・有料道路の通行の際に割引も受けられてお得で便利です。
クレジットカード会社のETCカードであれば、ETCの利用でもカードのポイントが貯まりますが、ETCカードの作り方や使い方が分からないという方も多いでしょう。
ここでは、ETCカードとは?という基礎知識からETCカードの使い方・選び方・作り方も分かりやすく解説していきます。
目次
ETC利用のメリット
ETC割引が受けられる
ETCを利用する一番大きなメリットは割引です。
現在実施されている主なETC割引は以下のようになっています。
- 平日朝夕割引(地方部)
- 深夜割引
- 休日割引(地方部)
- 対距離料金(首都高速・阪神高速)
例えば、地方部の休日割引は普通車・軽自動車・二輪車が土日祝日は30%割引となります。
対距離料金(首都高速・阪神高速)の場合は、距離に応じて料金が変わるので、短距離の利用がお得です。
ETCマイレージサービスが受けられる
ETCマイレージサービスとは、通行料金に応じてポイントが還元され、無料通行に充てられるサービスです。
事前登録は必要ですが、ETCマイレージサービスの利用は無料となっています。
平日朝夕割引を利用する場合もETCマイレージサービスへの登録が必要なので、ETCカードを作る際には登録しておきましょう。
ETCマイレージサービスの申し込み方法はインターネットまたは郵送となっていて、申込書はサービスエリアやパーキングエリアなどで配布されています。
ETCマイレージサービスのポイント有効期限はポイントが付与された年度の翌年度末となり、この場合の年度とは4月~翌3月です。
ETCカードとは
ETCカードとは、有料道路の通行料金を支払うためのカードです。
ETCカードには大きく分けて2種類のカードがあります。
- ETCカード
- ETCパーソナルカード
「ETCカード」とはクレジットカード会社が発行しているETCカードで、クレジットカード一体型のETCカードや、クレジットカードに追加発行できるETC専用カードがあります。
次に「ETCパーソナルカード」とは、高速道路6社が共同で発行していて、クレジットカードのような入会審査がないため作りやすいのがメリットです。
複数台の車を所有していても、それぞれの車に車載器が設置してあれば同じETCカードを使ってETCを利用できます。
例えば、旅行先でレンタカーを借りた場合も自分のETCカードで料金を精算することができ、入口と出口では同じカードを使う必要はありますが、往路の料金はAさんのETCカードで支払い、復路の料金はBさんのETCカードで支払うという使い方も可能です。
また、ETC利用照会サービスで事前登録を行えば利用明細(利用履歴)を確認することもできます。
ETCカードのメリット・デメリット
ETCカードの特徴やメリット・デメリットを詳しくみていきましょう。
ETCカードのメリット
- 初期費用(導入コスト)が安い
- クレジットカードのポイントが貯まる
ETCカードのデメリット
- クレジットカードの審査がある
- クレジット一体型カードの場合は盗難の際にリスクが高い
カード会社が発行するETCカードのメリットは、カードの年会費や発行手数料が無料または割安になっているため初期費用が抑えられる点と、ETCカードの利用でもクレジットカードのポイントが貯まる点です。
デメリットは、クレジットカードの申し込み時に審査があり、カードが作れないケースもある点と、一体型カードを選んだ場合には盗難による不正利用のリスクがあるため、盗難補償付きのカードでも管理には注意する必要があります。
車載器の販売店ではETCカードの申し込みを受け付けている場合もあり、手続きや設置をまとめて行えるのもメリットです。
ETCの利用料金は、クレジットカードの支払いとまとめて請求されます。
ETCパーソナルカードのメリット・デメリット
続いて、ETCパーソナルカードの特徴やメリット・デメリットを詳しくみていきましょう。
ETCパーソナルカードのメリット
- 審査なしで持てる
- クレジットカードを作らなくていい
ETCパーソナルカードのデメリット
- 年会費やデポジット(保証金)がかかる
- カードのポイントが貯まらない
クレジット機能のないETCパーソナルカードのメリットは、入会審査がないためクレジットカードを作れない方でも持つことができる点です。
また、クレジットカードを作らなくていいためカードを増やしたくない方にも向いています。
デメリットは、税込1,257円の年会費に加えて「デポジット」という保証金が必要となる点です。
ETCカードの場合はクレジットカードの信用を元に後払いが可能となっていますが、ETCパーソナルカードの場合は入会審査なしで持てるため、その代わりにデポジットが発生するのです。
デポジットは平均利用月額の4倍なので、例えば1か月に5,000円を利用する場合は20,000円のデポジットが必要となり、ETCの利用料金は口座引き落としとなります。
比較するとETCカードがおすすめ
ETCカードとETCパーソナルカードを比較してみても、カード会社が発行するETCカードの方がおすすめです。
ETCパーソナルカードでも「ETCマイレージサービス」のポイントは貯まりますが、ポイントは利用料金への充当となるため使い道が限られています。
その点、ETCカードならETCマイレージサービスとクレジットカードのポイントの二重取りができ、カードのポイントなら交換先が選べるのがメリットです。
例えば、オリコカードザポイントならオンラインギフト券や他社ポイントに交換することができます。
ETCカードの使い方
ETCカードの使い方の流れは、以下のようになります。
- ETCカードを申し込む
- 車載器を購入する(車の購入時に設置されている場合は不要)
- ディーラーや購入店で車載器のセットアップを行う
- 車載器にETCカードを挿入してETCレーンを通行
ETCカードを申し込む
カード会社が発行する「ETCカード」の場合
カード会社が発行するETCカードの場合は、すでに持っているクレジットカードでETCカードを発行するか、新たにETCカードが発行できるクレジットカードを申し込むか2通りの方法があります。
ETCカードの申し込み方法は「ETCカードの作り方」の見出しで詳しく解説していきます。
高速道路会社が発行する「ETCパーソナルカード」の場合
高速道路会社が発行するETCパーソナルカードの場合は、高速道路のサービスエリアまたは高速道路会社の事務局などで申込書を入手して、記入の上郵送して下さい。
後日、デポジットの振込依頼書が届くので郵便局やコンビニで入金を行います。
カード発行までの日数は入金確認後、2週間程度です。
車載器を購入する(車の購入時に設置されている場合は不要)
ETCカードは車載器とセットで利用する必要があり、単体では利用できません。
車載器は安いものなら5,000円程度の価格で購入することができ、車の購入時にビルトインタイプのETC車載器が設置されている場合もあります。
最近では従来のETCに加えて「ETC2.0」という渋滞回避・安全運転のサポートや災害時の誘導、首都圏の圏央道で通行料金が2割引となるサービスも始まっていますが、ETC2.0の利用には対応する車載器が必要です。
ディーラーや購入店で車載器のセットアップを行う
ETC車載器を設置した際には、最初にナンバープレートの番号など、車両の情報を登録する「セットアップ」という作業を行いますが、ETC車載器のセットアップは登録店で行う必要があるため個人ではできません。
セットアップの際には以下の書類などが必要となります。
4輪車の場合
- 車載器
- 車検証
- 運転免許証などの本人確認書類
2輪車の場合
- 車載器
- 車検証
- 実車
- 運転免許証などの本人確認書類
2輪車の場合、車検証上の車両使用者本人以外の代理人がセットアップを依頼する際に委任状が必要です。
また、セットアップには工賃がかかります。
車載器にETCカードを挿入してETCレーンを通行
料金所のETCレーンの通行前には、有効期限内のETCカードが正しい向きで車載器に挿入されているかを確認してください。
料金所の直前でカードを差し込むと動作しない恐れがあるため、ETCカードは予め挿入しておきましょう。
ETC利用時は「ETC専用」または「ETC・一般」と書かれたレーンを時速20km以下でゆっくりと走行してください。
ETCカードの選び方
カード会社が発行するETCカードには、年会費無料のものと有料のものがあります。
中には、クレジットカードの年会費は無料でもETCカードは有料というケースもあるので申し込みの際には注意しましょう。
ここでは、クレジットカード・ETCカードともに年会費無料のカードをピックアップしてご紹介します。
ETCカード発行までの日数はカードによって異なり、早ければ即日~2週間程度かかる場合もあるので時間には余裕をもって申し込みましょう。
ETCカードを作るのにおすすめのクレジットカード
オリコカードザポイント
Orico Card THE POINT(オリコカード・ザ・ポイント)
カードの特徴
オリコが運営するネットショッピングサイト「オリコモール」でカード利用することでAmazon.co.jpや楽天市場でもポイント高還元率になるカード。最大17.5%!
発行会社 | オリエントコーポレーション | ポイント還元率 | 1.0%(入会から6か月間は2.0%) |
---|---|---|---|
年会費 | 永年無料 | 付帯保険 | なし |
電子マネー | iD、QuicPay(ApplePay利用可能) | ポイント | オリコポイント |
オリコカードザポイントは、通常ポイント還元率が1.0%(入会後6か月間は2.0%)の高還元カードです。
クレジットカード・ETCカードともに年会費無料でネットショッピングに強く、オリコモールを経由したAmazonの還元率は2.0%、楽天市場なら最大16.5%還元に。
iDとQUICPayという2種類の電子マネーを搭載しコンビニの支払いでもポイントが無駄なく貯まります。
貯まったポイントは500ポイントからリアルタイムで交換でき、すぐに使うことも可能。
学生・未成年の方やオリコカードザポイントの申し込み時にETCカードを希望する場合は郵送で申し込む必要があり、オンライン申し込みの場合はクレジットカードが届いてからETCカードを追加で申し込んでください。
三井住友カード デビュープラス
三井住友カード デビュープラス
カードの特徴
18歳~25歳まで限定の若い人専用「三井住友カード」。一般カードの2倍ポイントが貯まる上、入会から3か月間はポイントが5倍など、ポイントを貯めやすい仕組みが豊富。
発行会社 | 三井住友カード株式会社 | ポイント還元率 | 1.0% |
---|---|---|---|
年会費 | 初年度無料(二年目以降 税込1,375円)、年に一度でも利用すれば年会費無料 | 付帯保険 | ショッピング保険 最高100万円 |
電子マネー | iD、PiTaPa、WAON(ApplePay利用可能) | ポイント | Vポイント |
免許を取ったばかりの学生の方や新社会人におすすめなのが、18歳~25歳の方限定の三井住友カード デビュープラスです。
クレジットカードとETCカードともに、初年度年会費無料・2年目以降も前年に一度以上の利用があれば無料で持つことができます(カード利用がない場合は年会費1,375円(税込)・ETCカードはETC利用がない場合税込550円)。
ポイント還元率が通常カードの2倍となる1.0%となっているのが特徴で、入会後3か月は5倍の2.5%還元に。
26歳以降はプライムゴールドカードに自動ランクアップして若いうちからゴールドカードが持てる点も魅力です。
セキュリティ対策にも定評があり、世界No.1シェアのVISAブランドなので海外でも便利に使えます。ネット申し込みなら最短3営業日発行も可能です。
セゾンカードインターナショナル
セゾンカードインターナショナル
カードの特徴
クレディセゾンが発行するセゾンカードの中で、最もベーシックなカード。即日発行可能ということとポイント有効期限がない「永久不滅ポイント」が特徴
セゾンカードインターナショナルは、クレジットカード・ETCカードともに年会費無料で最短即日発行に対応しているのが特徴です。
ポイント還元率は0.5%と平均的ですが、ポイントに有効期限がない「永久不滅ポイント」で、セゾンポイントモール経由のネットショッピングなら最大30倍の還元率となります。
毎月第1・第3土曜日は西友とLIVINで5%割引の優待があり、ネット上の不正使用補償も付帯。
ETCカードを即日発行する方法は、カードをパルコなどにあるセゾンカウンターの店頭で受け取ることが条件です。
インターネット申し込み時にはETCカードを「申し込まない」にチェックを付けて「セゾンカウンターで受け取り」を選択、来店時にETCカード希望の旨を伝えてください。
出光カードまいどプラス
出光カードまいどプラス
カードの特徴
出光サービスステーションでカード利用すると、ガソリン・軽油の料金が1L毎に2円割引になるカード
出光カードまいどプラスは、クレジットカード・ETCカードともに年会費無料でガソリン代がお得になるカードです。
ポイント還元率は0.5%、アメックスを含む4つの国際ブランドが選べ、出光SSでの給油が割引になります。
ガソリン・軽油が2円/L引き(入会後1か月間は5円/L引き)となり、年会費税込550円のオプション「ねびきプラスサービス」に加入するとショッピング利用額に応じてガソリン・軽油が最大8円/L引きに。
WEB明細の利用で毎年5月のガソリン代は追加値引きとなるので、出光のSSをよく利用する方におすすめです。
西友・リヴィン・サニーでの5%割引が受けられ、アメックスなら海外ポイント2倍や優待特典もあります。
ETCカードの作り方
ここでは、カード会社が発行するETCカードの作り方を解説していきます。
すでに持っているクレジットカードでETCカードを追加発行する場合
ETCカードの追加発行に対応したクレジットカードを持っている場合は、インターネットから手続きができます。
例えば、オリコカードザポイントなら「eオリコサービス」という会員サービスから手続きが可能です。
オリコカードのETCカードのページにアクセスをして、eオリコサービスに登録済みの方は「ログイン」、未登録の方は「ご利用登録」を選択してログインを行います。
次に「お申込いろいろ」というメニューから「ETCカードのお申込」に進んで申し込みを行ってください。
新たにETCカードを申し込む場合
クレジットカード一体型のETCカードを申し込む場合や、ETCカードが発行できるクレジットカードを新たに申し込む場合は、申し込み→審査→発行という流れになります。
例えば、三井住友カード デビュープラスなら、インターネットのカードの申し込みページで規約に同意の上、住所や氏名・支払い口座情報などの必要事項を入力して3ページ目に進むと「ご希望のカード、その他について」という項目があるので「ETC専用カード」という欄にチェックを付けてください。
あとは入力した内容を確認して手続きは完了です。
未成年の方が三井住友カード デビュープラスを申し込む場合は別途、書面での手続きが必要となります。
ETCカードはレンタルできる?
急にETCカードが必要になった時など、ETCカードはレンタルできることをご存知ですか?多くのレンタカー会社では、300円程度の料金でETCカードをレンタルすることができます。
ただし、レンタカーとセットになっているのでETCカードのみを借りることはできません。
法人用ETCカードを除き、カード会社が発行するETCカードは家族や友人同士でもカードの貸し借りが禁止されています。
貸し借りを行ったETCカードが盗難に遭ったり、紛失しても規約違反のため補償されないので注意しましょう。
「Tカード プラス(SMBCモビットnext)」に申し込むのがおすすめ
Tカード プラス(SMBCモビットnext)
カードの特徴
SMBCモビットと三井住友カードが提携する年会費無料カード。独自の審査基準を設けている「消費者金融系カード」のため、クレジットヒストリー(過去の支払い実績)よりも現在の収入を重視される。
発行会社 | 株式会社SMBCモビット | ポイント還元率 | 0.5% |
---|---|---|---|
年会費 | 永年無料 | 申し込み条件 | 年齢満20歳~69歳の定期収入のある方 |
ETCカード年会費 | 初年度無料(2年目以降、年に1度でもETC利用があれば税込550円が無料) | ポイント | Tポイント |
ETCパーソナルカードは高いデポジット(保証金)が必要になってくる上、ポイントも貯まらないので基本的にはクレジットカードを作ってETCカードを発行するのがおすすめです。
中でも「Tカード プラス(SMBCモビットnext)」をおすすめします。
Tカード プラス(SMBCモビットnext)は、SMBCモビットと三井住友カードが提携した年会費無料のカードです。
一般的なクレジットカードは過去の支払い実績や現在の職業などからお金に困っていない人を評価しているのに対し、お金に困っている人を対象にして発行している「消費者金融系カード」に含まれます。
消費者金融系カードには「アコムACマスターカード」というカードもありますが、ACマスターカードはETCカードを発行できないカードのため、Tカード プラス(SMBCモビットnext)はETCカード発行可能な唯一の消費者金融系カードということになります。