クレジットカードの分割払いはパソコンなど高額な商品を購入する際にも便利な支払い方法です。まとまったお金を用意する必要がなく、家計のやりくりにも役立つ支払い方法ですが、クレジットカードの分割払いは未成年でも利用できるのでしょうか。
今回は、未成年でもクレジットカードの分割払いはできる?という疑問や、高校生でも分割払いはできる?という疑問を解消していきます。
クレジットカードの支払い方法
クレジットカードは信用販売により後払いができる料金決済用カードですが、支払い方法にはいくつかの種類があります。
一括払い
一括払いとは、翌月または翌々月の支払日に一括で料金が引き落とされる支払い方法です。金利手数料がかからないという点が一括払いの最大のメリットです。
2回払い
2回払いとは、その名前が示す通り2回に分けて支払う方法です。分割払いとは異なるため金利手数料はかかりませんが、利用できるお店やサービス、カードが限られるのがデメリットです。
分割払い
分割払いとは、支払い回数を指定して均等に分割した代金を支払う方法です。3回払い・6回払い・12回払い・24回払いなど、支払い回数はカード利用時に選ぶ事ができます。分割払いであっても、カードの限度額(利用可能額)を超える支払いはできません。
カードによっては、後から分割払いに変更する事もできます。
リボ払い
リボ払いとは、毎月の支払い額を一定に抑える事ができる支払い方法です。クレジットカードの中にはリボ払い専用カードもありますが、月々の負担は軽くなる一方で支払い期間が延びる傾向があり、その間も金利手数料が発生し続けるので注意が必要です。
ボーナス払い
ボーナス払いとは、夏または冬のボーナスの時期に支払いをする方法です。「ボーナス一括払い」の場合は一括払いと同様に金利手数料がかかりませんが「ボーナス2回払い」の場合は分割払いと同じ扱いになるので金利手数料が発生します。
最大で半年先まで支払いを先延ばしにできるという点がメリットです。
分割払いのメリット・デメリット
分割払いにするとクレジットカードのショッピング保険が付く事も
三井住友カードには、カードで購入した商品の破損や盗難を補償してくれる「お買物安心保険」というサービスがありますが、ゴールドカードなどの上位カードを除く一般カードで保険が適用されるのは、3回払い以上の分割払いやリボ払いで購入した場合のみとなっています。
これは現金払いや一括払いにはないメリットといえるでしょう。
3回以上の分割払いは金利手数料が発生する
分割払いは12%~15%程度の金利手数料が発生するので、しっかりと返済計画を練る必要があります。
三井住友カードで分割払いを利用した場合の金利手数料は以下の通りで、元金と手数料の合計を月々支払います。
支払い回数 (支払い期間) |
3回(3か月) | 6回(6か月) | 12回(12か月) | 24回(24か月) |
---|---|---|---|---|
実質年率 | 12.00% | 13.75% | 14.50% | 14.75% |
100円あたりの手数料 | 2.01円 | 4.02円 | 8.04円 | 16.08円 |
このように、支払い回数(支払い期間)長くなればその分、金利手数料が高くなっていくので注意しましょう。
一括払い・2回払い・ボーナス一括払いがお得
3回以上の分割払いは手数料がかかるので、なるべく一括払い・2回払いで支払うのがお得にクレジットカードを使うコツです。
ボーナス一括払いも手数料無料で利用できる方法ですが、ボーナスが出ないアルバイトの方や学生でも利用できるので、支払いを先延ばしにしてその間に稼いでおくという使い方もできます。
未成年でもクレジットカードの分割払いは可能?
未成年でもクレジットカードの分割払いは利用できます。何回払いを利用できるのかは、商品やサービスによって異なるので要注意です。三井住友カードの場合は「親権者が同意される事により分割払いが利用できます」と記載されています。
分割払いにすると限度額(利用可能額)はどうなる?
分割払いを利用した場合、支払いを行うまでは分割払いにした総額(利用残高)が限度額から差し引かれた状態となるため注意しましょう。
例えば、限度額20万円のカードを持っていて10万円の買い物を10回の分割払い(月々1万円)にした場合、最初の支払日までは限度額から10万円が差し引かれた状態になります。初回の支払いが完了すると残りの9万円が限度額から差し引かれるため限度額が1万円分回復し、10回の支払いが完了するまで同じように続きます。
間違えやすい点ですが、クレジットカードのショッピング枠の「利用残高」とはカード利用分の「未払いの利用金額」の事で、限度額の残高ではありません。
ショッピングローンは20歳になってから
ジャパネットやビックカメラなどで、分割払いの金利手数料無料という広告をよく見かけますが、これはクレジットカードの分割払いではなく「ショッピングローン」というローン契約です。
クレジットカードは不要で商品に対する個別契約となりますが、ショッピングローンは20歳以上の方しか利用できません。
高校生でも分割払いできる?
高校生は分割払いを利用できません。ほとんどのクレジットカードの申し込み条件は「高校生を除く18歳以上」となっているためです。
高校生のうちは支払い能力が未熟なため、どのカード会社でも高校生は申し込みの対象外とされています。
海外留学を理由に作ったカードは帰国後には使えない
高校生のうちは海外留学など特別な理由がない限りクレジットカードを持つ事もできません。海外留学を理由に申し込んだカードは帰国後には使えなくなるので、日本国内で利用する事ができない点には注意が必要です。
デビットカードやプリペイドカードは分割払いできない
即時引き落としのデビットカードや前払いのプリペイドカードの場合、カード自体は高校生でも持てますが、分割払いには対応していません。家電量販店などのショッピングローンも20歳以上しか利用できないので、高校生のうちは分割払いができないという事になります。
高校生で高額なものを購入したい場合の対処法
アルバイトなどで貯金をする
高校生のうちは分割払いができないので、アルバイトなどで貯金をして現金で一度に支払うというのが現実的な方法です。高校を卒業するとクレジットカードが作れるようになるので、卒業間近の方は少し待ってからクレジットカードを作るというのもひとつの手でしょう。
学生のうちはカード審査に通りやすく、一般向けのカードよりも特典が充実しているカードが無料で作れるケースも多いため、カードを作るなら学生のうちがおすすめです。
親に分割払いを頼む
一旦支払いを親に立て替えてもらい、分割払いと同じ形で月々決まった額を返していくという方法もあります。親が一括で支払いを行った場合は金利手数料も発生しないので、元金だけを払えばいいという点がこの方法のメリットです。
アルバイトをしていない場合は、毎月のお小遣いやお年玉から差し引いてもらうという方法もあります。