クレジットカードは高校生を除く18歳以上から作ることが可能です。
しかし、未成年の方は初めてクレジットカードを申し込むということも多いため、どういうことに注意したらいいのか、どんな基準でクレジットカードを選べばいいのか分からないのではないでしょうか。
このページでは、未成年がクレジットカードを作る時の注意点や審査、未成年がクレジットカードを選ぶ際の基準などを解説します。
目次
クレジットカードは未成年でも(18歳以上なら)作れる
一般的なクレジットカードの入会資格は「高校生を除く18歳以上」となっているため、18歳~19歳の未成年者でもクレジットカードを作ることは可能です。
逆に、中学生や高校生、18歳未満の人はクレジットカードを作れません。
高校生から作れる“例外”もある
基本的には「高校生を除く18歳以上」が国内のクレジットカードの原則となっているのですが、例外として、イオンカードであれば、「内定先または進学先の決まった」18歳以上の高校生でも卒業年度の1月1日からクレジットカードの申し込みが可能になっている場合や、留学などの特別な理由があれば家族カードを発行してもらえる場合があります。
例えば、アメリカンエキスプレスカードの家族カードには、以下記述があるので18歳未満でも例外として家族カードの発行が可能です。
参照元:https://www.americanexpress.com/jp/benefits/additional-card/
もし家族カードの追加発行に対応したクレジットカードを家族が持っていたら、一度カード会社に相談してみると良いでしょう。
20歳以上や25歳以上しか作れないクレジットカードもある
クレジットカードの中には、20歳以上や25歳以上など申し込みに年齢制限があるカードも存在します。
ゴールドカードやプラチナカードのように、カードのグレードに応じた年収が求められるカードに年齢制限がある場合が多く、例えば「JCBゴールド」の場合は、20歳以上で本人に安定継続収入のある方が申し込み対象です。
未成年者の方は作りたいクレジットカードの申し込み資格(入会資格)を確認のうえ、申し込みましょう。

18歳からでも作れるか入会資格をチェック
未成年がクレジットカードを作る時は親権者の同意が必要
未成年者は単独で契約行為を行えないと法律(民法)で定められているため、クレジットカードを申し込む際には親権者の同意を得る必要があります。
「親権者の同意」が指す内容は申し込むカードによって異なりますが、「書面での同意確認」と「電話での同意確認」の2通りがあります。
例えば、オリコカードや三井住友カードは書面で親権者の同意確認を行い、楽天カードやJCBカードは電話で親権者の同意確認を行うカードです。
書面で親権者の同意確認を行う場合は同意書に親権者本人が記名・捺印を行ってカード会社に送り、電話で親権者の同意確認を行う場合はカード会社が親権者本人に直接電話をかけてカードを作ることに同意しているかを尋ねます。
- 書面での同意確認・・・親権者本人の記名・捺印が必要
- 電話での同意確認・・・親権者本人に直接電話をかけて確認する
どんなカード会社でも電話または書面で親権者の同意確認が行われるので、親の同意なしでクレジットカードを作ることはできません。
書面で同意確認を行うカードでも、書類の不備などで電話がかかってくる可能性もあるので、親に内緒にせずカードを作ることをきちんと話しておきましょう。
なりすましやサインの偽造は犯罪行為
未成年者本人や友人・知人などが親権者になりすまして同意確認を行うと文書偽造などの犯罪行為にあたります。
未成年であるのに成年と偽ったり、親権者の同意を得ずに同意を得たと偽ったりしてカード会社を騙すことは詐欺となります。
クレカを作るのを反対された場合に親権者を説得する方法
クレジットカードを作るのに反対されて親権者の同意を得るのが難しいという場合は、カードが必要な理由を伝えた上で話し合いをして、お互いが納得できるルールを作るのもひとつの方法です。
例えば、
- 手数料が発生するリボ払いや3回以上の分割払いは利用しない
- アルバイトをしている場合はバイト代で賄える範囲内でカードを使う
また、クレジットカードを作った場合のメリットを伝えるのも良いでしょう。
- ネット通販で代引き手数料がかからない
- 旅行保険が付く
- スーパーやコンビニでの買い物が割引になる
- 急にお金が必要になった時に便利
- 購入履歴が残るので支出管理がしやすい
- 若い時にクレジットヒストリーを作っておかないと後々クレカが作りにくくなる
今では未成年や大学生でもクレジットカードを持っている人は珍しくありません。
クレジットカードを作るとお金の使い方を学ぶきっかけにもなるので、親権者に納得してもらってから申し込むようにしましょう。
年齢が若いうちは審査基準が甘い
クレジットカードの入会申し込みをすると、カード会社で審査が行われます。
一般的に審査では、使ったお金をきちんと返済してくれるかの「返済能力」や、過去のクレカやローンの利用履歴である「クレジットヒストリー」が重視されますが、未成年者の場合は収入やクレジットヒストリーがない場合も多いため、社会人のような厳しい審査は行われません。
むしろ未成年者など、年齢が若いうちはクレジットカード審査で甘くみてもらえます。
その理由は、最初に作ったカードは長く使ってもらえるため、カード会社にとって将来的に良い顧客となるからです。
成人して社会人になると審査で収入や勤続年数などもチェックされて厳しくなるので、クレジットカードを作るなら未成年・学生のうちに作っておくのがおすすめです。
未成年がクレジットカードを申し込む時の注意点
親が過去にトラブルを起こしたカード会社は避ける
注意したいのが、親が過去にカード会社で延滞などのトラブルを起こした場合、そのカード会社や系列会社では子供もカードを作りづらくなるケースです。
カード会社には自社のデータベースがあり、トラブルを起こした顧客は「社内ブラック」という状態になります。
通常の信用情報(クレジットヒストリー)であれば5年~10年が経過すればブラックリスト入りの状態から抜け出すことができますが、社内ブラックに関しては半永久的に残ります。
このため、カードを申し込んだ際に過去の親のトラブルが発覚して審査落ちとなる場合もあるので親が延滞をしたことがあるようなら、申し込むカード会社に気を付けてください。
リボ払いに注意!
申し込むクレジットカードによっては「リボ払い専用カード」のことがあるので注意してください。
リボ払いとは、毎月の支払い金額を自分で設定できる支払い方法です。設定した金額を超えた分は強制的に翌月の支払いに繰り越され、繰り越された分だけリボ払い手数料が加算されていくので、気が付くと多額の借金を抱えてしまっていた!という話も少なくありません。リボ払い専用カードであれば、決して手を出さないようにしてください。借金地獄への落とし穴です。
■リボ払い専用カード例
- DCカード「Jizile(ジザイル)」
- 三井住友カード「エブリプラス」
- オリコカード「Orico Card THE POINT UPty」
- アコム「ACマスターカード」
- JCB「JCB EIT」
- ポケットカード「ファミマTカード」
- ポケットカード「P-one Wiz」
- UCカード「FreeBO」
- ジャックス「R-styleカード」
- 三井住友カード「初音ミク VISAカード」
また、リボ払い専用カードでなくても、カードの申し込み時にリボ払いとは気づかずに申し込んでしまっていたというケースもあるので、申し込み時に意味の分からない単語がある場合には面倒でも調べてから申し込みましょう。
例えば、三井住友カードのリボ払いは「マイ・ペイすリボ」という名前で「リボ」という単語が入っているので気づきやすいですが、au wallet クレジットカードのように「楽Pay」という名前で分かりづらい可能性もあります。
他には「自動リボ」と呼ばれるものです。返済方法の初期設定にリボ払いになっている場合がありますので、非常に注意が必要です。
短期間に複数枚のカードを申し込まない(申し込みブラック対策)
欲しいクレジットカードがいくつかあっても、1か月に複数枚のクレジットカードを申し込むのは避けてください。
クレジットヒストリーにはカードの申し込みに関する情報も記録(直近6か月)されるので、次々とカードを申し込む=お金に困っていると疑われて審査落ちのリスクが高まります。
目安として1か月に3枚以上のカードを申し込むと、この「申し込みブラック」という状態になる恐れがあるので注意しましょう。
スマホ代の延滞(滞納)に注意
クレジットヒストリーと呼ばれる信用情報はカードやローンの利用履歴のほか、スマホ代(携帯電話料金)も対象です。
スマホを購入して本体代金を分割払いにしている場合もローンとして記録されるので、月々の電話代を延滞するとクレジットヒストリーに傷が付いてしまいます。
特に、61日以上の延滞を起こすと「異動」という事故情報が残ってしまい、5年間カードを作りづらい状態が続くため注意しましょう。(つまりブラックリスト状態)
未成年のクレジットカードの選び方
未成年者だとクレジットカードを初めて作る人も多いでしょう。ここからは初めてでも失敗しないクレジットカードの選び方を解説します。
若い人向け・学生向けクレカを選ぼう
カード会社は、若いうちに自社のカードを作らせておきたいと考えているため、各種機能が優遇された「学生向けクレジットカード」や「若い人向けのクレジットカード」を作っています。
これらのカードは通常よりもたくさんのポイントが貯まったり、年会費が有料のカードのところ在学中に限り無料になったりといった特典があるのでおすすめです。
学生向けクレジットカード、年齢制限のあるクレジットカードには以下表のようなカードがあります。
カード名 | 通常還元率 | 年会費 | 概要 |
---|---|---|---|
三井住友カード(学生) | 0.5% | 在学中無料 | 三井住友カードのベーシックなカード |
三井住友カード A(学生) | 0.5% | 在学中 税込275円 | 海外旅行保険が自動付帯の三井住友カード |
三井住友カード アミティエ(学生) | 0.5% | 在学中無料 | 女性向けカード |
三井住友カード デビュープラス | 1.0% | 税込1,375円 年に1度でも利用すれば無料 |
18歳~25歳限定カード ポイントが一般カードの2倍 |
JCB CARD W | 1.0% | 無料 | 18歳~39歳限定カード |
JCB CARD EXTAGE | 0.5% | 無料 | 18歳~29歳限定カード |
JALカード navi(学生専用) | 1.0% | 無料 | JALマイルを効率的に貯められる学生専用カード |
ANA JCBカード<学生用> | 1.0% | 在学中無料 | ANA マイルを効率的に貯められる学生専用カード |
ANA VISAカード<学生用> | 0.5% | 在学中無料 | ANA マイルを効率的に貯められる学生専用カード |
学生専用ライフカード | 0.5% | 無料 | 海外旅行保険付帯、海外利用時5%キャッシュバック |
AOYAMAカード(学生専用) | 1.0% | 税込1,375円(初年度無料) | 洋服の青山でいつでも20%OFF |
楽天カードアカデミー | 1.0% | 無料 | 学生限定のポイント特典がある楽天カード |
MUFGイニシャルカード | 0.49% | 在学中無料 | 18歳~29歳限定カード |
ポイントやマイルが貯まりやすいクレジットカードを選ぶ
クレジットカードを使ってショッピングをすると、カード利用額に応じたポイントやマイルが貯まり、貯まったポイントはTポイントや楽天ポイント、Amazonギフトコードといった他社で使えるポイントやギフト券などと交換ができます。この、カード利用をした際に貯まるポイントは、他社のポイントや商品と交換した場合にいくら分に相当するのかを表した割合のことを「ポイント還元率」と言います。
ポイント還元率は0.5%が一般的には多く、1.0%以上のカードだとポイントが貯まりやすい「高還元率カード」と言われています。1.0%以上のカードは、楽天カードや三井住友カード デビュープラス、JCB CARD Wがあり、1.2%のリクルートカード、1.25%のREX CARDもあります。
特約店で割引などの優待が受けられるカードを選ぼう
クレジットカードのほとんどは、特定のお店(特約店)で割引や獲得ポイント増加などの優待特典を受けることが可能なので、自分がよく利用するお店やサービスでお得になるクレジットカードを選ぶようにしましょう。
例えば、イオンやダイエー、マックスバリュといったイオングループでポイントが2倍になる他、20日、30日に5%OFFの特典を受けられる「イオンカード」や、年に4回マルイで10%OFFの優待特典が受けられる「エポスカード」が有名です。
カード名 | 優待特典例 |
---|---|
イオンカード | ・イオングループ各店でポイント2倍 ・イオングループ各店で20日、30日は5%OFF |
セゾンカード | ・西友・リヴィンで毎月第1、第3土曜日は5%OFF |
エポスカード | ・マルイで年に4回10%OFF ・SHIDAXやBIGECHOでカラオケルーム料金30%OFF ・タイムズカーレンタル15%OFF |
dカード | ・ローソン、ノジマで3%OFF ・ポイントUPモール経由のネットショッピングでポイント最大10.5倍 |
三井住友カード | ・ポイントUPモール経由のネットショッピングでポイント最大20倍 ・セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドでポイント5倍 |
JCBカード | ・Oki Doki ランド経由のネットショッピングでポイント最大20倍 ・セブンイレブンでポイント3倍 |
年会費無料(安い)カードを選ぶ
クレジットカードは発行から一年が経過すると年会費が発生するカードがあります。年会費が上がるにつれてカードの特典や付帯保険も豪華になっていきますが、持っているだけで維持費がかかるので余計なコストをかけたくないなら年会費無料カードを選ぶと良いでしょう。
学生の場合は通常年会費がかかるカードでも優待されて無料になっていることが多いですが、卒業後に自動的に年会費有料カードに切り替わる場合もあるので、卒業後に年会費がかかるカードなのかを申し込み前に調査しておきましょう。もし、卒業後は有料になるならば、その時に解約して他のカードに乗り換えるのも一つの手です。
海外旅行保険が付いたカードを選ぶ
クレジットカードによっては海外旅行保険や国内旅行保険が付いた(付帯した)カードがあります。学生の方は留学や卒業旅行などで海外に行く機会があると思いますが、海外では日本と違って救急車を呼ぶだけでもお金が必要ですし医療費も高額なので、なるべく保険が充実したカードを選びましょう。
旅行保険は、カードを保有しているだけで保険が適用される「自動付帯」の場合と、交通費やツアー費をカード払いしないと保険が適用されない「利用付帯」のカードがありますが、できれば利用付帯のカードで旅費を払い、自動付帯のカードをサブカードとして持っておくと補償が合算できます。
国際ブランドで選ぶ
国内で発行できるクレジットカードには、VISA(ビザ)、MasterCard(マスターカード)、JCB(ジェーシービー)、American Express(アメリカン・エキスプレス)、Diners Club(ダイナースクラブ)、銀聯(ぎんれん)という6つの「国際ブランド」があります。選ぶ国際ブランドによっては、お店が提携しておらず、カード利用ができない場合がありますが、国内ではVISA、MasterCard、JCBであればほとんど差はなく利用できます。
海外では加盟店舗数が並んで世界1位のVISAかMasterCardを選ぶのがおすすめです。(海外に行くのであれば1枚ずつ作っておくのがおすすめ)
カードデザインで選ぶ
クレジットカードには、アイドルや歌手、アニメ、ゲームのキャラクターを券面デザインに採用したカードがあり、特別な発行手数料もかからず年会費無料なものも多いので、カードの機能は度外視してデザイン重視で作る人もいます。例えばディズニーデザインのカードだと、イオンカード、楽天カード、JALカード、JCBカード、MUFGカード、JTB旅カードで発行できます。
ただ、アニメやゲームなどのデザイン系カードは、すべての支払いが分割になる「リボ払い専用カード」になっていることがあり、支払いに高額な手数料が取られる可能性もあるのでデザインカードの利用をする際には注意しましょう。リボ払い専用カードであれば、決して手を出さないようにしてください。
未成年がクレジットカードを作る場合は、親権者の同意が必要です。
なので、親へのハードルがまずありますが、そのハードルを乗り越えても、クレジットカードと正しく付き合うというハードルが残っています。くれぐれも、自分の支払い能力以上にお金を使いすぎないように。リボ払いや3回以上の分割払いは決して利用しないことです。
リボ払いや3回以上の分割払い利用者たちの多くは、生活費が足りなくなり手を出してしまいますが、一度手を出してしまうとずっと利息ばかり返済しているという状態になりかねません。
読者の中には、親との話しあいの末、クレジットカードが作れないという人がいるかもしれません。
その場合、プリペイドカードである「Kysah」、「バンドルカード」、「LINE Payカード」などを作るのはいかがでしょうか。これらを利用すれば、NETFLIXの動画サービスをはじめ、多くの店で決済手段とすることができます。審査不要で年齢制限もありません。プリペイドカードなので、自分の支払い能力以上にお金を使うことができませんから、使いすぎ防止にもなります。一度検討してみてはいかがでしょうか。